甘いもので魅了するお菓子屋さん「大浦 広さん」

菓子工房おおうらや

大浦 広 さん

業種:パティシエ

菓子職人という仕事

菓子職人というお仕事はどんな仕事ですか?

うちの店は和洋菓子を販売しています。わたしはもう30年くらいこの仕事
をしています。担当しているのは洋菓子で、ケーキやクッキー、アーモンドロックといううちの看板商品も作っています。
もともとうちがお菓子屋で、自分で三代目です。中学校のころには自然と後を継ごうと決めていました。東京の専門学校へ行って、その後3年間修行し、帰ってからすぐにここで働きました。

今の仕事へのこだわり、仕事に対する思いを教えてください。

美味しいお菓子を提供するっていうのは当然なんですが、うちのお店のお菓子は子どもでも分かりやすい商品、親しみやすさを大切にしています。お店の名前もひらがなで「おおうらや」です。お菓子のネーミングも、あまり難しい名前をつけず、イチゴショートとかチーズケーキとかモンブランっていう風に、子どもでもちゃんと分かるようにしています。

仕事で大変だったことはどんなことですか?

売れない時期はやっぱり大変です。一生懸命作ったのに売れないって辛いですから。30年やっていて、そういう時もありましたね。忙しくて長い時間働くことって全然苦労じゃないんですけどね。
そしてあの震災の時。店舗兼住宅が全部流されて、仕事をできない時期がありました。少しずつ前向きに目標を立てられるようになって、3ヶ月後にやっと仮店舗で仕事を再開することができました。思い返してみても、一番辛い時期だったと思います。でも、店舗が再開できるまでの間、ほんとうにたくさんの人に励まされ、支援してもらったんです。このことへの感謝の気持ちは、今後この仕事をやっていく上で、決して忘れてはいけないと思っています。

これからチャレンジしたいことはどんなことですか?

幸い、自分は再び店舗を構えることができました。でも、大船渡の街を見渡せば、まだまだこれからだっていう人がいっぱいいます。自分がスタートできたからそれでいいわけではなくて、地元のために、自分がこの仕事で何ができるかっていうことはすごく考えます。行き着くところはやっぱり地元の人や他県から来た人に喜んでもらえるお菓子を作り続けること、これしかないと思っています。
津波でレシピを全部流してしまったので、もともとあったお菓子が作れなくなったものもあります。だからその分、新しい商品を開発する必要があります。自己満足じゃなくて、支えてくれたお客さまの意見も取り入れながらどんどん作っていきたいです。

子どものころ、働くということをどう考えていましたか?

家を継ごうと思っていましたが、働くというより、ただお菓子を作ればいいのかなって思っていました。でも実際働き始めると、朝から晩までですごく長い時間で、さらに体力的にもとてもきつい仕事でした。それはイメージと違ったなと思います。単純にお菓子が好きだからと思って選んだ仕事でも、いざ自分の仕事にするとなると責任が重くのしかかりますから。

おおうらやで働く一番の魅力は何ですか?

こういう職場って、厳しいところだと新人はやりたいことをやらせてもらえないなんていうことがあるんですよ。でもうちのお店はどんどんやってもらいます。こういうことをしたい、とか、ここで勉強したいという前向きな気持ちは大歓迎です。そして何と言っても菓子職人の醍醐味は「美味しかった」「子どもが喜んでくれたという声を聞けること。厳しい仕事である分、格別にうれしいです。