飲み飽きしない進むお酒を「金野 泰明さん」

酔仙酒造株式会社 製造部醸造課

金野 泰明 さん

業種:日本酒製造員

酒造りの道に進むのだろうと思っていた。

金野さんの実家は、気仙地区にあった酒蔵のうちの一つ。幼少期から酒造りに近い関係にあり、この道に進むのだと感じていたという。
大学では醸造科学を学んできた。まさに酒造りを行う為の知識を得るためだった。大学卒業後は埼玉の酒蔵へ就職し、数年勤務したのち現在の酔仙酒造に入社した。座学では知識を勉強したが、実際に仕事を始めてから学生時代に勉強したことが理解できたことが多かったという。

お酒造りは奥が深い

お酒造りは夏場に製造計画を立て、酒蔵の下準備をし、主に冬場に仕込み、麹造り、製造を行う。とても複雑な製造工程なので、夏場に行う計画は大切。お酒造りは、「造りだす」という点では製造というくくりでジャンル分けされるかとは思うが、どちらかというと「管理する」という性格が強いと金野さんは話す。
酒造りでの一番の働き者は「酵母」。金野さんの仕事はその酵母が働きやすい環境を作ること。微生物はデリケートなもので、日々清潔な環境を整えなければいけない。毎年毎年同じ味のものができるとは限らず、微妙な違いで善し悪しが分かれる。日々新しい発見があり、逆にそれが楽しいと語る。

学生時代考えていた「働く」と現在の「働く」

学生時代に考えていた「働く」は学校生活や部活に大人のルールやビジネスマナーが加わったようなものだと想像していた。しかし実際働いてみると想像していたものとは違った。自分自身で考えて動くことが大切であるし、何よりも自分自身、家族を守るという意味でも学生時代にはなかった責任感が生まれた。
体を動かす作業も多い業務だが、疲れて帰ってくると「仕事をした」と実感すると言う。根気も必要であり、日々学ぶことも多いが、苦労した分日本酒ができたときの喜びはひとしお。出来を確かめる為に、「今年はいい日本酒ができた」「来年はもっとこうしよう」などと考えながら飲んでいると、いつの間にか酔ってしまっている。

酔仙酒造×金野泰明

東日本大震災にて、当時陸前高田市にあった酒蔵は全壊。しかし、たくさんの支援、地元の方の声援があり大船渡市猪川町にて営業を再開。今、このように酒造りをできているのも多くの方の支えがあってこそだと語る。
その時に改めて、「酔仙のお酒を待っている人がいる」、改めて地元に愛されるお酒を造り続ける地酒メーカーなのだと感じたという。
これから金野さんが目指すところは「地元の風土、食材にあったお酒」そして「飲み飽きしない進むお酒」を造っていくこと。金野さんは常に探究心と好奇心、そしてやってみるという勇気をもって日々業務を行っている。このような信念が、「美酒伝承」の酔仙酒造を支えているのではないでしょうか。

「気仙お仕事探検記より」