大船渡で揚がっている魚をもっと食べてほしい「中村 正さん」

大船渡魚市場株式会社 総務課

中村 正 さん

業種:魚市場事務

会社の業務内容と担当業務について

魚市場の業務内容につきましては卸売ですね。生産者である漁業者から魚を魚市場が委託されて水揚げしまして、その水揚げされたものを魚市場の登録買受人に販売すること。販売の仕方は皆さんよくテレビで目にされているようなセリや入札であったり。ともかく公平・公正な方法で販売しております。
私自身は、総務部に所属しており業務部全般の仕事も兼務しております。例えば先ほど申し上げた販売された魚の売り上げを生産者の皆さんに対して支払う際、その水揚げ金額等を算出しなければなりませんので、その算出や支払いの仕事がまずあります。
その金額は単純に販売された額そのまま渡すという事ではなく、魚市場の販売手数料であったり、問屋さんの手数料、あとは例えばサンマであれば全さんまという組合にサンマ船の船主さんは入っているので、そちらの会費分の手数料を引くといった、そういった諸々の精算を行って生産者さんに支払う必要があるので結構複雑なんです。
更に言うと同じ魚種であってもセリの販売価格は変わってきます。当然ですが大きい・小さいの個体差もありますし、とってからの時間や保存の仕方で鮮度が違ったりするのでそれで差はでますよね。サンマなどは1キロのうちに150グラム魚体が何匹含まれているのかであったり、獲った海域でも変わります。そういった同じ魚種の生産者さんでも、それぞれで販売価格などが変わるのでそれに合わせた精算・支払いが必要になるのです。

休日について

魚が相手の仕事なので、その漁期に合わせた形ですね。12月から5月くらいまでは比較的落ち着いているので休みも多めですが、6月以降からカツオの水揚げなどが始まってきてそれからは、日曜日仕事となる日も出てきたりはしますね。ただ、年間の休日数的には一般の会社さんと同様の数になるよう公休などで調整しています。休みの日は趣味のゴルフなどをして過ごしますね。

この仕事をするきっかけとは

小学生の頃は父親が大工だったという事もあって大工…と言いたいところですが、高いところが苦手だったので上らなくていい建築士がいいなと思っていました。その後、中学高校と進学する中では特にこれをやりたいというものも無かったのですが、大学に行きたいなとは思いつつ、でも当時の国立大への合格はかなり厳しい道だったという事もありどうしようかと考えていたところに、担任の先生から魚市場で募集しているからどうだ?と勧められまして。それまでは魚市場とか魚関係の仕事に就きたいとかっていうところは全く無かったんですけどもね。今であれば職場見学とかもありますが、当時はそういうことはなかったですし。縁と言えば魚市場の前を通って通学していたくらいですかね。まあでも受けてみようかと思い、現在に至ります。

実際仕事に就いてからどうでしたか

イメージ通りのところ、そうではないところどちらもありましたね。入った当初の時期は4月という事もあり、朝以外は比較的ゆったりできるというか、仕事もあまり多くなくて、少し拍子抜けしたところがありました。
それがだんだんと盛漁期へと移り、9月からサンマが入ってくることで激変すると。今は不漁ですけども当時は鮭も凄かったのでもう朝から晩まで…。そういった時期による差が激しい仕事ではあるなと実感しました。

この仕事をしているうえで大切にしている事

とにかく大事にしているのは公平・公正にということですね。入札等を執り行っている立場でもあるので。生産者と買受人との間に立つので、そのどちらかに傾くことの無いよう。生産者だけが良くてもダメ、買受人だけが良くてもダメ。要するにバランスが重要です。
生産者からはセリや入札に対して市場に揚げますという事で完全に委託されるわけですが、ただ同じ品物でも例えば巻き網でとった魚がいっぱい揚がった時に、それを冷蔵庫所有の水産加工業者がほとんど全部買ってしまうといったことが起きると、同じ魚でも定置で揚げてきたものは巻き網分で買い受け者の処理能力が満たされてしまって、定置の方はそんなに必要ないと価格がガクッと安くなったりもすることもあるんです。処理能力というのは要するに、各業者さんが保有している冷蔵庫のキャパシティですね。これ以上はうちの冷蔵庫が満杯になるので処理できないから買う必要がないという判断されて、それで競り合うこともなくなると。なので、まずはそのバランスを保つよう努めることが一番大事ですね。
あとはスピード感ですね。魚は鮮度を問われるので早めに処理しないといけないし、また都心など離れた場所に向けた出荷輸送もあるので。生産者さんからも水揚げ場所が整ってなくて時間かかってしまう時などは大分不満を持たれてしまうのでそこはしっかりと。

中高生の皆さんに伝えたい事

近年様々な魚介類が不漁といえる状況になっていて、この先どうなっていくのかという心配もありますが、ともあれ、やはり大船渡の最大の魅力は、この目の前の三陸沖は、世界の3大漁場と呼ばれていて、四季折々の豊富で多種多様な旬の魚が水揚げされ、それをすぐそばで食べられる環境にあるという事であると思うんです。ですが皆さん大船渡産の魚を買って、食べてはいますでしょうか?実際のところ地元で揚がっている魚より他県産の魚が店頭を占める割合が多い事もあって、そういう機会があまりないのではないのかなと思います。また今は魚を丸ごと購入しても三枚おろしにするのが大変であったり、生ごみが出るからというので敬遠されがちという話も聞きます。ただそれでも、大船渡は美味しい魚が沢山揚がっていますので是非見かけたときは買って食べてほしいなと、そう伝えたいですね。
大船渡魚市場としてもそんな最高の魚をより良い形で消費者の皆さんにお届けできるように、衛生・鮮度品質管理を徹底し皆さんに喜んでもらえるよう頑張っておりますので!